2006年05月16日
2006.5.16 プノンペンの儀式を首相官邸へ
一見マジメなニュースにもコメディを感じ取る。
それが、コメディノロジーの方法であり、楽しみでもあります。
今日のニュースは、
カンボジアの首都プノンペンで行われた今年の収穫を占う伝統的な儀式。
占いの方法は、王宮で飼育されている牛が、米や豆をどのように食べるかによって、
今年の収穫を占うというもの。
今年は豊作だが、降雨量は少ないとの予想が出ており、
農家は政府に対し、より多くのかんがい設備や用水路の建設を要求している、そうです。
ニュース・ソースは、こちら
あるニュースをコメディとして楽しむには、
まず、そのニュースの本質を読み取り、一行に単純化し、「方程式化」します。
上記のニュースをワンフレーズに単純化すると、
「牛が国家の重要事項を占う」です。
すると、こんな方程式が現れます。
・ 「A」 が「 B」 の「重要事項C」 を占う。
まずは、A=牛を元のままにして、
・「牛」が B の C を占う を基本方程式にして、
B と C に様々な言葉を当てはめてみましょう。
1−牛が、「原ジャイアンツ」の「優勝」を占う。
2−牛が、「ポスト小泉」の「総裁レース」を占う。
3−牛が、「村上ファンド」の「今後の展開」を占う。
4−牛が、「日韓」の「竹島領有問題」を占う。
2 の線で、本来のニュースのパロディーを簡単に作ってみると、こうなります。
↓
永田町の首相官邸前で16日、今年のポスト小泉をめぐる総裁選を占う儀式が行われた。
皇居で飼育されている牛が、与えられた米や豆をどのように食べるかによって今年の政局を
占うという伝統の儀式。秋の選挙は追い風だが、投票率は少ないとの予想が出ており、
自民党各県連は自民党本部に対し、より多くの応援演説や公共事業を要求している。
この段階だと、まだ料理でいうところの下ごしらえです。
基本テクニック「置き換え」を用いて、ニュースをコメディへと
初歩的な加工を施してみたわけです。
が、たとえばこの状態でも、
森本レオ の声で読んでみると、それなりに可笑しくなると思われます。
・ 「A」 が「 B」 の「重要事項C」 を占う のABCの要素を置き換えることで、
コメディのパズルを楽しむことができるわけです。
『モンティ・パイソン』には、
A=ロンドン警視庁 が B=凶悪犯罪の C=犯人を占う というスケッチ=コントがあります。
では、ざくっとではありますが、上述の下ごしらえを、
簡単にスケッチ=コントのカタチにしてみました。
ニュース部分に続けて、実写のスケッチ=コントです。
↓
(牛占い)
レオ 永田町の首相官邸前で16日、
今年のポスト小泉をめぐる総裁選を占う儀式が行われました。
皇居で飼育されている牛が、
与えられた米や豆をどのように食べるかによって
次の自民党総裁を占うという伝統の儀式。
秋の選挙は追い風ですが、投票率は少ないとの予想が出ており、
自民党各県連は自民党本部に対し、
より多くの応援演説や公共事業を要求しています。
それでは、この模様のVTRをご覧ください。
・首相官邸前で、小泉首相と側近が牛の様子を見守っている。
牛は、占い師のオジサンが持つ手綱につながれている。
が、牛は、短い尻尾をふるばかりで、米や豆を食べない。
小泉「この占いの基準は、一体なんなんだ?」
占師「米や豆は、ちょうど100個、地面に撒いてあります。
この牛が食べ残した米や豆の数にイチバン近い年齢の方が、
次の総理になるお方ということになります」
小泉「わかりやすい占いだな! シンプルが一番!」
占師「ええ」
小泉「みんな歳は幾つだったっけ?」
安倍「52です」
麻生「61」
谷垣「61です」
福田「69の私がイチバン年上」
小泉「ふ〜ん、この牛の食べっぷりはどうなの?」
占師「ええ、ペロリといくと、ほとんど食べちゃいますね」
小泉「あ、そう。じゃあ、ペロリといったら、
いちばん若い安倍くんが断然有利ってわけか!」
占師「そういうことになりますね」
小泉「ふ〜ん」
安倍「ふっふっ」
麻生「(咳払い)」
牛「もう〜」
占師「食べねえか?食べねえか?今日は、おかしいな〜」
・長い沈黙
小泉「おい、食べないじゃないか!
ということは、福田さんが有利か?」
福田「国会の牛歩戦術では、わたしが一番の経験者ですからね」
麻生「そんな牛は、竹島に送り込め!」
小泉「麻生さん、大切な儀式の最中だ!」
麻生「すいません」
小泉「ところで、一粒も食べない場合も、やっぱり福田さん?」
占師「いいえ、残りが100の場合は、占いは無効!
つまり、小泉首相が、そのままということで」
小泉「えっ?本当か?」
占師「本当です」
・小泉首相。急に前に出て。牛を威嚇する。
小泉「ガオーッ!」
安倍「総理!なにするんですか?」
小泉「ガオーッ!」
・牛が暴れだす。
占師「おい花子!暴れちゃダメだ!」
小泉「ガオーッ!」
占師「あ〜、逃げちまった〜!花子!花子!」
・牛の鈴が鳴り響き、足音とともに遠くなる。
占師「総理?花子が逃げちまったでねぇか!
あ〜あ、ポスト小泉はナシっちゅうことだな!」
四人「(口々に文句を言う)」
小泉「じゃあ、そういうことで!この秋以降も私が続投することに決まった!」
四人「(口々に文句を言う)」
麻生「あの牛は、中国の牛じゃないか?」
小泉「なにを文句いってるんだ!食べないんだからしょうがない!」
四人「(口々に文句を言う)」
麻生「あの牛は、北朝鮮の牛じゃないか?」
小泉「なにを言ってるんだ麻生くん!」
麻生「じゃあ、どこの牛なんですか?説明責任を果たしてくださいよ」
小泉「あの牛は、ブッシュ大統領からの贈物だ!」
麻生「えっ! アメリカ産は、マズいんじゃないですか?」
小泉「牛もいろいろ、占いもいろいろ、総理の続投もいろいろ!
では、私は、これで」
・首相官邸の中に入る小泉。四人の声が遠くなり、
大理石の床を歩く小泉首相の足音が響く。
そこを記者たちが取り囲む。
記者A「総理!さきほどの占いの感想をお願いします!」
小泉「うん、そうだな‥‥‥ライオンヘアにしててよかった!」
・総理の声に呼応して、遠くで「モオ〜ッ!」という花子の声が響く。
「ライオンヘアにしててよかった!」「モォ〜ッ!」
「ライオンヘアにしててよかった!」「モォ〜ッ!」
「ライオンヘアにしててよかった!」「モォ〜ッ!」(エコー!)
(おしまい)
まあ、ざっと書いたのですが、
成熟したコメディ大国イギリスでは、この手のコメディは、
いわば、第三のメディア・ジャーナリズムに次ぐ第四のメディアとして、
TVやラジオ、コメディクラブで日常的に演じられています。
コメディによって批評されることが文化の一部になっているんですね。
はやく日本もそうなるといいな〜と思います。
by 須田泰成 公式サイト
By Yasunari Suda:2006年05月16日 00:24
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