2006年05月08日
2006.5.8 ニュースに潜む「ミスマッチ」
こんにちは、コメディライターの須田泰成です。
本日は、コメディノロジーの基本技術のひとつ「ミスマッチ」がテーマです。
まずは、わかりやすい事例を取り上げましょう。
【事件・その1】
8日午前2時40分ごろ、群馬県渋川市のラーメン・チェーン店で、
店を閉めて外に出た男性従業員が、40〜50代くらいの男に「金を出せ」と脅された。
「金はない」と答えると、ハンマーのような鈍器で後頭部や脇腹を殴られ、
持っていたノート2冊を奪われた。
従業員は頭部打撲やろっ骨骨折などの重傷。
警察は強盗傷害事件として男の行方を追っている。
※ニュースソースは、こちらです。
この今朝のニュースをコメディノロジーの視点から眺めると、
ある重大なミスマッチが観察できます。
それは、ハンマーを持った凶悪な強盗が「ノート2冊」を奪って逃げたこと。
この手の強盗は、普通、金や貴金属です。それが「ノート2冊」。
ノートは、お店の売上帳だったのでしょうか。
それとも、男性従業員さんが学生さんで、大学の講義ノートだったとか。
あるいは、幼稚園に通う姪っ子にプレゼントするために買った「キティ ちゃんのノート」とか。
いずれにせよ、悪事を働いて逃げる、
この強盗の姿には「ミスマッチ」というコメディのテクニックが、
知ってか知らずか施された天然コメディなのです。
想像してみましょう。
〜ハンマーを持った凶悪な犯人が、「犯罪学」の講義ノートを小脇に抱えて逃走する姿を〜
〜ハンマーを持った凶悪な犯人が、サンリオの可愛いノートを小脇に抱えて逃走する姿を〜
もしくは、ちょっと発想をジャンプさせて、
◎ハンマーを持った凶悪な犯人が持って逃げるノートが、
高崎競馬の勝ちパターンを研究しつくした貴重なギャンブルのバイブル的ノートだとしたら、
それは、もう、コメディ映画のはじまりです。
【事件・その2】
ウガンダの警察が、
警察犬を使用して泥棒を追跡したところ、
犯人は、キリスト教の牧師だった。
その日は、窃盗事件が発生した現場で、
多くの見物人が見守る中、警察犬が放たれた。
しかし、警察犬が飛び込んでいったのは、キリスト教教会の牧師が経営する店だった。
この店のカウンターの裏には、盗まれた品々が隠されていたという。
人々は驚きを隠せなかった。
※ニュースソースは、、こちらです。
このニュースにおけるミスマッチは、
明らかに「窃盗犯=キリスト教の牧師」というミスマッチです。
聖職者は、倫理的に高い人物であり、
人々の模範となるべきという決まり事が、崩れています。
井筒監督の映画、『二代目はクリスチャン』も、
「教会の尼さん=ヤクザの跡取り」というミスマッチが、
ストーリーの基本構造に取り入れられています。
ウーピー・ゴールドバーグの大ヒットシリーズ、『天使にラブソングを』は、
場末の歌手&ヤクザの情婦というデロリスが、
尼さんになってしまうというミスマッチが素晴らしいコメディです。
想像してましょう。
〜煩悩の抑制を声高に説く牧師が勃起しながら喋っている様子を〜
わたしの自宅の近くには、
3年ほど前まで、作務衣姿で商店街の焼肉屋さんに入り、
うまそうに焼肉を頬張るお坊さんが、約一名いらっしゃいました。
わたしの行きつけの銭湯のサウナには、
財テクの話ばっかりしている宗派の異なるお坊さんの二人組がいらっしゃいます。
そういうミスマッチな人を発見すると、
コメディが日常にいかに浸透しているのかを思い知るわけです。
先日、岩手県では、
教職にありながら風俗店を経営、しかも風俗店不許可エリアに出店していたという
ミスマッチな事件が発生しました。
ミスマッチといえば、やはりアイフルもスゴイですね。
TVでも繰り返し報道されたヤミ金そのもののような激しい取り立てと、
「どうするアイフル?」のコピー、可愛いチワワや好感度たっぷりのグラビア・アイドルなどは、
コメディノロジーの教科書でも取り上げたいほどのミスマッチでした。
コメディノロジーの基本技術のひとつ「ミスマッチ」を常に脳味噌の片隅に置いておくと、
世の中が少しはオモシロク見えるかもしれません。
By Yasunari Suda:2006年05月08日 11:41
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