2006年05月30日
コメディ・サンプリングと政治家のモラル
モンティ・パイソンに関わっていて、
たまに強く感心するのは、コメディにおけるサンプリングの手法の妙です。
あらゆる表現の分野で、もはやオリジナルなものは存在しない、と言われはじめて
随分と年月が経っているわけですが。
人は相変わらず、人が作ったものに感情を動かされてしまいます。
そんな感動を呼ぶ創作物には、サンプリングの妙が潜んでいることが多いのです。
モンティ・パイソンを見ていると、
たまに、明らかに濃厚なレギュラー・キャラクター以外の、
飛び道具的なキャラクター(人物)が、ニュース映像や台詞中のワン・フレーズとして
登場することがあります。
最近、濃いな〜と思ったのは、ジョン・クリーズがアフレコをしたキチ○イじみた
キャラの抗議の手紙に登場するプロフューモ事件という言葉。
時は、1963年、
事件の主役のプロヒューモさんは、三十八歳でマクミラン保守党政権の陸軍大臣を務め、
未来の首相候補とまでいわれた世襲の貴族でした。
この人が、ロンドンのナイトクラブで、
キーラーという名の高級コールガールを買ってしまいました。
まあ、そこまでは、単なる下半身スキャンダルなのですが、
ところが、そのキーラーさんは、当時のソ連の諜報員だったのです。
まるで、スパイ映画のようですが。
世間的には、英国陸軍の最高機密がソ連に流れたと言われています。
が、実際のところは、国家機密を漏らしたのかどうかは、ハッキリしていません。
が、
プロフューモさんは、議会で「この女性と関係がありましたか」と問われたときに、
「そんなことはなかった」と嘘をついてしまったのです。。
事件後、プロフューモさんは嘘をついた自分を探く恥じて、
先祖から受け継いだ莫大な財産と地位を投げうって、
ロンドン東部の貧民街のイーストエンドに住みついて、貧困や病気に
喘ぐ弱者のために奉仕活動を始め、ずっと続けたんだそうです。
その事実を知った女王陛下が、プロフューモさんが70歳を越えたときに、
「嘘をついた罪は大きいけれども、あなたは充分に罪を償いました」と、
救いの手をさしのべたそうです。
しかし、プロフューモさんは、
「いいえ、嘘をついた罪は許されません。私は一生かけて償いたいと思います」
と、そのまま今も、亡くなっていなければ、イーストエンドで働いているのだそうです。
調べてみると、すごい話が隠れていたりする。
こういうサンプリングの妙を発見すると、
やっぱり、『ゲバゲバ』や『カリキュラ』じゃ物足りなくなります。
そして、こんなコメディを自由に作ってみたいという衝動が増幅します。
そして、TVのニュースで日本の政治家の顔を見ていると、
嫌になりますね。
By Yasunari Suda:2006年05月30日 18:39
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